アジアを中心としたトラベルライターの活動方法と注意点
アジアを中心としたトラベルライターの活動方法と注意点

「海外を旅行して記事を書くトラベルライターになりたい」という場合、まず考えるべきは「どこのエリアを活動の範囲とするか」です。

トラベルライターと言うと、アジアから南米、欧米と世界中を飛び回る印象があるかもしれませんが、そういった人は実は少なく、トラベルライターというよりはジャーナリストの傾向が強いように思えます。

一方、トラベルライターとして活動する場合、アジアならアジアだけといった特定地域に関して深い知識を持っていた方が、クライアントも依頼しやすいです。

トラベルライターとして最初に選ぶ地域は「アジア」がおすすめの理由

トラベルライターとして最初に選ぶ地域は「アジア」がおすすめの理由

トラベルライターとして最初に選ぶのにおすすめしたいのは断然「アジア」です。そもそもとして日本人旅行者が多いので、それだけ旅行記事のニーズがあります。

バンコクやバリ島、ホーチミンに台北といったありきたりな都市に留まらず、二度目、三度目以降の旅行者に向けたニッチな観光地の記事も重宝されるため、取材のし甲斐があります。

また、アジアをおすすめする最もな理由に、「単純に日本との距離が近いため」が挙げられます。

日本から欧米までは10時間以上かかり時差も大きいため、何かしら帰国しなければならない場合に不便が生じます。

その一方でアジアであれば6時間から8時間程度で行くことができますし、時差もせいぜい2時間程度です。日本から近く、いつでも連絡がとれるという安心感があれば、日本に居る両親の説得も容易いですし、自分自身安心感があります。

中近東&西アジアは要注意。無理は禁物

中近東&西アジアは要注意。無理は禁物

アジアの中でも、エキゾチックな中近東や西アジアに行きたい人も少なくありません。日本人旅行者にとってはドバイやトルコは旅先として人気がありますね。

しかし、ドバイを含むアラブはご存知の通り宗教色が強いため、その国の法律をしっかりと学んでいないと、不条理な理由で国外退去の目に遭うこともありますし、場合によっては禁固刑に処されることもあります。

また、トルコは短期旅行としては非常に魅力的ですが、同じアジアでも西アジアにあり、西洋の影響を強く受けているため、日本とはまるで違う文化と環境下にあります。食事や空気感が合わないという人もいるでしょう。

さらに、トルコはシリアやイラクと国土が近いため、治安も決して良くはありません。都心の爆破事件やテロなどの危険性も孕んでいるので、世界情勢を気にしながら仕事をするようにしましょう。

普段は自分の職業は表に出さない方がおすすめ

普段は自分の職業は表に出さない方がおすすめ

トルコは近年英語力はめきめきと上がってきていますが、一般市民の英語はまだまだ世界的にも低い方です。そのため、こちらが英語を話しても、相手に思うように理解してくれなく、あらぬ誤解を招いてしまうこともあります。

トラベルライターという言葉はトルコでは普通ではありませんし、基本的にライター=記者=ジャーナリストとなります。このような情勢不安がある国では記者は煙たがられる傾向にあるので、単なる旅行記事を書いているだけであっても、向こうからしてみたら何かの諜報活動に映るかもしれません。

そうなると最悪強制収容の可能性もありますので、普段はあまり自分の仕事を表に出すべきではありません。

その国や地域の危険レベルというのは、外務省が公開しています。渡航禁止レベルの国や都市に行くのは避けるのはもちろんのこと、ニュースでテロや爆破事件、クーデター、大規模デモの有無も自分で確かめて、リスクは最大限回避するようにしてください。

「自分は大丈夫だよ」、「実際テロに遭遇する確率なんて1%以下でしょ」という考えは非常に危険です。日本とは自身が置かれている環境がまるで違うことを肝に銘じておいてください。

外務省海外安全ホームページ:https://www.anzen.mofa.go.jp/riskmap/index.html

社会主義国に滞在する場合の注意点

社会主義国に滞在する場合の注意点

アジアの中では中国とベトナム、北朝鮮が社会主義となります。その内中国とベトナムは日本人旅行者が多い国でもあるので、北京やハノイ、ホーチミンはトラベルライターとして仕事をする上で、必ず行くであろう都市となります。

短期旅行ではいずれの都市も社会主義色を感じることはあまりありませんが、中長期滞在をするとなると、社会主義であることを実感する場面に出くわすこともあるでしょう。

公安警察には注意しよう

トラベルライターとして滞在する上で最も厄介なのが公安警察の存在です。中国もベトナムも「公安」が警察の役割を担っていて、大きな権力を握っています。しばしば法律が通用しない場面もあり、例えば町の風景写真を撮影していると、公安から撮影禁止の旨を言われることがあります。

法律上は問題なくとも、公安が駄目といえば駄目。しかし袖の下次第で見逃してくれる。そんな不条理がまかり通ります。「法律では問題ないから!」と公安の制止を振り切ろうとすると、逮捕されてしまうこともあるかもしれません。

現地人も公安には基本的に従いますので、外国人であるトラベルライターも問題を起こさないよう、郷に入っては郷に従えを守るようにしましょう。

トラベルライターにありがちのビザの問題

トラベルライターにありがちのビザの問題

トラベルライターは基本的にビザ免除国に対してはノービザ、もしくはアライバルビザで観光目的による入国をするのが普通です。

しかし、長く1箇所に滞在する場合は、ビザが必要となります。ここでトラベルライターが陥りやすいトラブルが、「入国できない」と言うものです。

まず知ってほしいのは、原則的に「入国できるかできないかは入国審査の職員が決める」ということです。これは陸路でも空路でも同じことです。

頻繁に特定の国や都市の出入国を繰り返していたり、ビザの更新を何度も続けていると、入国審査で引っかかって、場合によっては入国ができない可能性があります。

入国できない場合はどうする?

入国できない場合は、大使館や領事館で正式にビザを申請・取得するか、別の都市から入国するか、もしくはその国は諦めて別の第三国へ入国するかのいずれかを選択することになります。

陸路だとバスに乗って戻るだけですが、空路の場合は空港で足止めとなり、空港職員と話し合って別の都市へ向かう便のチケットを購入することとなります。もちろん航空券代は自腹です。

入国審査の職員に取調室のような狭い会議室に連れられて、いろいろと質問を受けることになりますので、英語が不得意の場合はパニックになりがちです。

なかなか臨機応変な対応をとるのは難しいですが、そのようなトラブルも考えられるということは覚えておくといいでしょう。

王道ではなく穴場の観光地を回る!トラベルライターが新たなブームを作る

王道ではなく穴場の観光地を回る!トラベルライターが新たなブームを作る

トラベルライターの駆け出しのうちは、旅行雑誌に載っている観光スポットに足を運んで、写真を蓄えることが重要となります。観光地の歴史背景などを調べて、1つの観光スポットに対して2000文字以上の記事を書けるようになるのが理想です。

しかし、トラベルライターとしての醍醐味は『新しい観光地を自分で作ることができる』ことにあります。現地や欧米人には知られているけれど、日本人の間では知名度が低いリゾート地や観光地は実はアジアにはたくさんあります。

そういった日本人にとっての穴場の観光地を回り、取材・執筆して多くの旅行会社に記事を提供することによって、数年後には各旅行会社が揃ってその観光地を旅先として売り出すことになるかもしれません。

「自分がこの観光地を日本人に広めた」という自信がやりがいに繋がる瞬間です。

国を選ぶ基準は人それぞれ。まずは自分の強みを持とう

国を選ぶ基準は人それぞれ。まずは自分の強みを持とう

アジアには数十の国がありますので、まずは自分がどの国・都市をトラベルライターとして強みを持つのかを決めるところからはじめましょう。

単純に自分が好きな国を選ぶだけではなく、その国の治安面やビザの取得状況などを鑑みて選ぶのがトラブル回避のポイントです。トラベルライターを志望する若者は近年増加傾向にあるので、是非自分の強みを持って活動するようにしてください。

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