トラベルライターになるからには、足を運んだ国内外の観光地はすべて写真におさめ、いつでも記事を書けるように準備しておくといいでしょう。
出版社や旅行サイトから、「〇〇についての記事書けますか?」と質問されることもあれば、こちらから「〇〇についての記事を書けるのですが、いかがでしょうか?」と提案することもできます。
文章は頭の中でイメージして、それを活字にすることができますが、写真は現地で撮影しなければなりません。そのため、自分の記事を売り込むためには、写真が必須となることは覚えておきましょう。
記事と写真を用意できたら、あとは自分を売り込む先を見つけなければなりません。昨今はネットですべて事足りるようになったので、世界のどこへ行っても、現地で求人に応募することができます。
では、どのような場所に応募すればいいのでしょうか。
今回はプロのトラベルライターとして、執筆した記事で報酬を得る方法をご紹介します。
継続案件の可能性もあり!「ウェブメディアの求人に応募」
旅行会社のブログサイトや観光情報サイト、情報系サイトなどはトラベルライターにとってはお得意様になり得る企業となるので、逐一募集状況をチェックしておきたいところです。
「LINEトラベルjp」や「WeLoveExpedia」、「TABIZINE」、「all about」などは大手情報サイトとなります。
ただし、月に執筆できる記事数が少なく、都度記事テーマの企画提案をして採用される必要があるなど、ウェブサイトによってはコンスタントに稼ぐのが難しい場合もあります。
しかし、有名なサイトへ投稿経験があれば、ポートフォリオも目立ちますし、自身のキャリアにも箔がつきます。
一方、最低1社とは是が非でも契約しておきたいのが、旅行会社です。毎月固定収入を見込むことができますし、トラベルライターとして仕事をまっとうしている実感があります。
いずれも応募方法は当該サイトの採用ページから問合せをすることになります。
観光サイトではライター募集ページから応募することができますが、旅行会社のHPの場合は、自分の実績や自分が記事を書くことによって得られる先方のメリットなどを提案をするといいでしょう。
先方担当者の興味をひかせることができれば、何かしらのアクションがあるはずです。
フリーランスのマッチングサイトに登録する
企業とフリーランスを繋ぐマッチングサイトに登録するのも、トラベルライターにとって昨今の常套手段となります。有名なサイトでは「ランサーズ」、「クラウドワークス」、「ココナラ」などが大手として挙げられます。
登録は無料ですが、その分競合も多いため、自己PR文で差別化を図る必要があります。自分でHPを立ち上げて集客するとなると、検索順位が上がってくるまでに数年単位で時間を要しますし、HP制作と維持には費用と手間も相応に生じます。
マッチングサイトに登録するとサイト内でマイページを作成することができるので、定期的にログインしてページを更新しておくだけで、問合せを期待することができます。
ただし、これらのマッチングサイトには3点ほど注意点があります。
注意点1.手数料が高いため、報酬が減衰する
マッチングサイトにて案件を受注した場合、報酬を得るさいに受注者は運営サイト側に規定の手数料(コミッション)を支払う必要があります。
サイトによって料率は異なりますが、往々に20~25%前後となります。
受注金額が数十万円単位となると、手数料も低くなってきますが、トラベルライターとしての記事作成案件は、1社あたり数千円から数万円程度となるため、手数料は高くつく傾向にあります。
注意点2.記事単価を安く設定する必要がある
上述した通り、この手のマッチングサイトは誰もが無料で登録することができるため、本業の傍ら、小遣いを稼ぐことを目的とした、いわゆる副業ライターも多く登録しています。
クライアントはカテゴリー検索で登録フリーランサーを絞り込むことができるので、基本は競合との合い見積もりとなり、値段がものを言うケースが多々発生します。
そのため、自分の記事単価がいかに正当なものであるかを適切に説明するか、競合に合わせて自身も単価を下げる必要に迫られることもあります。
旅行記事案件はそれほど多くない
マッチングサイトに登録するクライアントの多くは、アウトソーシングを社内で取り入れているITやPR企業、市場調査会社、もしくは個人事業主となりますので、旅行記事の求人案件はそれほど多くはありません。
そのため、アフィリエイトの商品紹介記事、まとめサイトの記事など、海外・旅行関連以外の分野も請け負うか否かは、事前に決めておくといいでしょう。
出版社や編集プロダクションに売り込む
自分の書いた記事が活字として本に掲載される……、それはトラベルライター冥利に尽きるというものです。
その成功のための第一歩となる行為が、「出版社へ編集プロダクションに自身を売り込む」ことです。紙媒体の発行部数が年々縮小傾向の出版業界では、常に新しい“ネタ”を探しています。
編集プロダクションは相変わらず慌ただしくしていますが、飛び込みの企画にも昨今はしっかりと目を通してくれます。
出版社や編集プロダクションの探し方
おそらく最初に躓く問題が、「出版社や編集プロダクションの探し方が分からない」というもの。
多くの出版社はHPを持っていますが、編集プロダクションはほとんど見かけません。この両社の探し方ですが、まずは書店に足を運び、旅行本が置いてある棚から目ぼしい本を手に取ってください。
本の背表紙、もしくは裏表紙の内側か外側のいずれかに版元と編集プロダクションが記載されているはずです。版元のみの場合は、出版社の社内で編集部門を持っていると考えていいでしょう。
出版社や編集プロダクションに問い合わせをする方法
出版社や編集プロダクションに自分を売り込む場合は、まずはメールで問い合わせるといいでしょう。
その際、自分のポートフォリオを忘れずに添付してください。問い合わせの内容は、フリーの旅行ライターを受け付けているかの有無や、自信を持って書けるオリジナリティ溢れる記事の企画概要。
その本が写真ありきの旅行本の場合は、自分の撮影した写真サンプルやカメラの機種、保有レンズも併せて伝えると、先方に好印象を持たれるかもしれません。
すぐに案件はなくとも、覚えてもらうきっかけに
出版社や編集プロダクションに問い合わせたからといって、よほどタイミングが良くない限り、仕事をすぐにもらえるわけではありません。
ただし、ポートフォリオは自分の名刺代わりとなるので、それを先方担当者に送り、受領の返信があっただけでも良しとしましょう。数か月後、1年後に突然仕事の案件メールを貰えるかもしれません。
オウンドメディアを育てるのも有効な方法
昨今はITの知識がなくとも、CMSやブログサービスを利用して、気軽に自分のHPやブログを作ることができる時代となりました。
CMSは「jimdo」や「Wix」などが有名で、ブログサービスは「アメブロ」や「はてなブログ」、「note」が知られています。
これらは基本無料で利用することができ、有料プランに申し込むことによって、カスタマイズやSEO対策を施すことができるようになります。
自分で育てたHPやブログは、時期を見計らってアドセンスやアフィリエイトといった報酬型広告を貼ることによって、月々報酬を受け取ることができます。
最初は微々たるものですが、日々記事の更新を続けていけば、いつか芽が出る可能性も大いにあります。
競合ライターとの差別化を図る記事を考える
2011~12年には「ノマド」という、事務所を持たないでカフェや自宅で仕事をする新しいワークスタイルが注目されるようになりました。
フリーランスとして海外を渡り歩きながら仕事を請け負い、報酬を得るノマドワーカーも増えてきており、今後はトラベルライターの競争も一層激しくなることが予想されます。
その中で勝ち抜くためには、他のライターにはなく、自分にあるもの・書けるものを今一度吟味する必要があるでしょう。
もし見つけることができれば、それが強みとなり、やがて長くお付き合いできるクライアントと巡り合うことができるはずです。