Webライターとして活躍していると「なかなか案件が増えない」、「安定受注に繋がらない」という課題にあたるはずです。そこで、ここではキャリア13年のライターが、案件獲得率アップのために日ごろやっていることを紹介します。
Webライターが悩む仕事の受注事情
Webライターとして活動を続けていくと、多くの人が「仕事の獲得に困っている」、「安定して新規案件を受注できない」と悩んでいる様子がうかがえます。
近年はクラウドワークスやランサーズといったビジネスマッチングサイトを有効活用することで、比較的案件獲得のハードルは下がっているように見受けられますが、1つの案件に対し数十人の応募があるため、常にライバルと競り合う必要があり、これが安定した案件の受注を阻害している要因となっています。
Webライターは仕事の安定受注にマッチングサイトを使わないのがおすすめ
クラウドソーシングで日ごろ案件獲得をしている人は、別の方法を模索するのがおすすめです。クラウドソーシングで獲得できる案件の多くは、
1.記事単価が安い
2.単発案件
3.テストライティングがある
といった問題があり、1つの案件獲得にかかる時間と手間が膨大で、成果報酬で生計を立てるWebライターにとっては費用対効果が高いとは言えません。
そのため、プロのWebライターは日ごろからクラウドソーシングを使うことはせず、スケジュールが空いたときに案件情報を確認するくらいの活用に留めています。
Webライターは仕事の案件獲得率アップのために「ブログ運営」は必須
Webライティングの案件は1社から受注できる仕事量はそれほど多くなく、月3万~10万円くらいの案件が普通となります。そのため、Webライターが毎月安定した仕事を受注するためには、「毎月安定して記事の依頼をくれる企業と取引する」ことが大切です。クラウドソーシングではなかなかそれが叶わず、また取引の都度20%近くの手数料を運営元に払う必要があるため、継続した活用が難しくなります。
一方で自分でブログサイトを運営することは、仲介不要で直接企業と取引でき、さらに企業が自分に問い合わせをする窓口を増やすことに繋がります。ただし、ブログサイトを運営する際は、最低限のデザインや記事の更新頻度には気を配る必要があります。最後の記事更新が1年前のブログに問い合わせをしようと考える企業はありません。
ベテランWebライターがやっていること:既存顧客への企画提案
ベテランWebライターの多くは、常に5~6社の企業から毎月案件を受注しています。信頼を勝ち取っていれば1年更新も可能なので、毎月案件状況を心配することはありません。ただし、単に記事を書いているだけでは記事単価は上がりません。Webライターのような業務委託契約は昇給・昇格はないほか有給という概念もありません。良くも悪くも“やった分しかもらえない”のがWebライターです。
そのため、ある程度取引企業数が増えてきたら、新規案件を追うのではなく、既存の取引先に企画提案をしてみるのがおすすめです。
既存の取引先に企画提案をするメリットは「新規案件の獲得よりはるかに簡単!」
新規案件の獲得に励むよりも、既に取引実績のある顧客に企画提案をするメリットは、単純に「案件の獲得率が上がるため」です。テストライティングから面接を経て契約を交わす新規案件よりも、既に契約を交わし、担当者とリレーションが取れている企業と新規案件を結ぶ方が手間もかかりませんし、何よりも安心できます。
Webライティングの案件を10社から受注できたとしても、そのうち1年以上毎月継続して依頼を貰えるのは1~2社程度と考えると、新規の取引先を増やすのではなく、既存顧客とより関係を深める施策を検討した方が、将来が広がると言えます。
Webライターが案件獲得の企画提案作成法と留意点
Webライターが既存顧客と折衝する上での注意点は「記事単価の交渉をしない」ことです。既存に交わしている契約の単価交渉よりも、新規の企画提案の方が企業は歓迎してくれますし、日ごろから品質の高い記事を提供しているのであれば、少なくともこちらの提案に耳を傾けてくれるはずです。
企画提案は特にフォーマットはありませんが、以下項目に留意して提案書を作成すると良いでしょう。
- 取引先企業にどのようなメリット・利益があるのか
- 目標・1年後の着地(具体的な数字が出せればなお良し)
- 当該企画を遂行するにあたっての自分の過去の実績とキャリア
- 報酬金額
基本的に自分ができることよりも、相手が求めているWeb集客の課題を指摘する提案書が好まれます。アウトソーシングを推進する企業には、SEO対策やWebマーケティングといった分野のリテラシーのある人間が社内に居ない可能性が高いので、自分が代行することで企業は人件費の削減と事業拡大の期待ができます。
Webライターが比較的容易に案件を獲得できる業務とは?
ただし、Webマーケティングの依頼をこなすためにはマスマーケティングやミクロマーケティングの知識・手法の理解が必要となるので、その分野の実務経験がないと顧客を満足させるのは難しそうです。
一方で以下で紹介する業務であればWebライターと親和性が高いため、案件を獲得できる見込みがアップします。
SNS代行業務の内容と獲得するポイントと注意点
企業がネット集客を行う場合は、大きく分けて「公式ホームページ(通販サイト含む)」、「ブログページ」、「SNS」を活用します。いずれもWebライターの受注可能業務となるため、積極的に提案するのがおすすめです。
SNS代行とは、取引先のFacebookやInstagramを更新するのが業務となります。大抵は平日毎日となるので、週5日月間20回の更新を目指します。FacebookとInstagramはともに公開日時を指定できるほか、Meta Business Suiteで双方を一元管理できるので、それほど手間ではありません。毎月の頭に当月分の記事を作って公開日時を設定しておけば、業務は1日で終えることができます。
報酬は1つのアカウントにつき月3万~5万円なので、受注できればライティングより割の良い仕事となるかもしれません。ただし、Instagramはオリジナルの画像をアップしなければならないほか、顧客の要望によりPhotoshopで加工が必要となるので、請け負えるかどうかは状況次第となります。
SEO対策の分析&施策業務を獲得するポイントと注意点
昨今では多くのWebライターがSEOの基本的な記事の書き方は理解しています。しかし、SEO分析及び施策の具体的な提案ができるWebライターはそれほど多くありません。SEO分析するためには有料の分析ツールが必要となるので、SEOリテラシーだけでなく、ある程度の初期投資が必要です。具体的なSEO分析項目は以下を参考にしてください。
- キーワードの追跡
500以上のキーワードに対する自社サイトおよび競合サイトのランキング追跡 - 競合サイトの分析(インデックス・被リンク・ランキング・ユーザー数)
ユーザー数(PV含む)は有料の分析ツールを使っても実際と大きく乖離するケースが多いので、ベンチマークとして気に留めておく程度でかまいません。 - アナリティクス&コンソールを使ったコンテンツ分析とユーザー分析
- 1年後の予想着地
等が必要です。キーワードを数百個単位で追跡するツールは原則有料のものしかありません。また、近年は個人情報保護法が厳しくなり、Googleが提供するユーザー情報が少なくなっているため、アナリティクスとコンソールだけを分析対象とするのは心もとなく、顧客が満足しない可能性が高いです。
SEO分析の報酬は別途契約する場合もありますが、通常は文字単価・記事単価に含まれることが多いです。例えば、これまで文字単価2円で記事作成を受けていたのであれば、文字単価3円~4円で受けられるようになります。
Webライターのディレクション業務を獲得するポイントと注意点
Webライターのディレクション業務とは、顧客が抱えている外部ライターの記事の進捗チェックとなります。企業側に編集業務を担う担当者がいない場合は自分が記事の中身まで確認することになり、業務量が一気に増えるので注意が必要です。
まとめ:Webライターは自分の強みを活かして案件獲得を
どんなにベテランのWebライターも、1日中文章を書き続けることはできません。そのため、ライティング以外の業務も平行して請け負うことで、業務量と報酬の底上げを狙うことができます。上記で紹介した業務は一定の学習コストがかかるため、執筆活動の傍らに時間を取って勉強するのが良いでしょう。